離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「きゃー!華乃ってば!」

「やだもうっ!可愛いな、このやろ~!」

「さすが新婚!熱いねー!」

「あたしも結婚したーいっ!」


周りで騒ぐ声も聞こえないくらい、俺の頭の中では華乃の言葉が大きく響いていた。


──やばい。こいつは可愛いすぎる。

できることならすぐさま連れ去ってしまいたい。


そんな衝動に駆られ胸が熱くなる。


「主役が全く話聞いてないっておかしいだろ」

「寝てんのか?」

「こいつ、目開けたまま寝るやつだったっけ?」

「俺が起こしてやるよ」

「──!」


華乃の方にばかり気を取られていたら、急に誰かに髪の毛を鷲掴みにされた。


「おはよう、龍ちゃん」


ドアップの小憎たらしい笑顔、こいつは……


「だから俺はそっちの趣味はねぇんだよ、奏」

「やっと起きたか」
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