離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「だめです」

「だ、だめ?なんでよ。熱なんて別に…」


平気、と言おうとしたら、ベッドの上のわたしの横に座り、両手で顔を包み込み距離を近づけた。


「こんなに熱いのにか?だめなものはだめだ。絶対命令、お前は完全に治るまで俺の言いなり。とりあえず寝てろ。後で病院に連れてってやるから」

「りゅ、龍成」

「『はい』は?」


わざとらしくしかめっ面をする龍成。


「……はい」

「よくできました」


にこやかに微笑み、龍成はわたしの体をゆっくりとベッドに倒す。


…また子供扱いして……。過保護なんじゃないの?心配性?親が子供を心配するのと一緒だよ。


ドアのノックされる音がし、龍成は立ち上がりそちらへ向かう。


すぐに戻ってきた龍成はわたしに体温計を手渡した。


「何か必要なものあるか?食欲は?」
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