離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
……優しいんだよね、なんだかんだ言って。


わたしは龍成の優しさに甘えてばかりだ。


「何度だった?…ってなんで泣いてんだよ」


顔を洗い終わったのか、龍成が戻りベッドに座る。


手で隠していたのに、わたしの頬には隠しきれないほど涙が伝っていた。


「……ごめん」

「は?なにが?」

「ごめんね、本当に」


謝るしかできない。不甲斐ない自分に涙が止まらない。


「俺、謝ってほしいなんて言った覚えはねぇぞ」

「でも、ごめん」

「ましてや泣いてほしいなんて欠片も思ってない」

「わかるよ、それもごめん。泣いてごめん」

「こらばかの、いい加減にしろ」

「だって」

「だってもくそもあるか。悪いと思うなら泣くな。お前に泣かれると俺の心臓のえぐられ方が尋常じゃない」
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