離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「確かにそれはそうだけど、甘えになってしまったらどんどん悪い方に落ちていっちゃうよ」

「いいんだよ。つーか、そういう考えを持ってんなら大丈夫だろ。お前は俺を誰だと思ってる。これほど頼りになる男は滅多にいねぇんだぞ」


頼りがいがないだなんて、もう言わせねぇんだからな。


「……あんたの自意識過剰には感服です」

「現実を受け止めろ」

「じゃあ頼りになる旦那様、わたしを区役所に連れてって」


─こ、こいつ……。


「お前な、」

「頼りになる旦那様が一緒なら大丈夫でしょ?」


いきなりさっきまでとは真逆の笑顔を見せる華乃。


小憎たらしいような可愛いような。子供が悪戯したときの表情だ。


……くそ、俺って甘いってか、華乃馬鹿だな。


「わかったよ!区役所だけな!俺が婚姻届提出してきてやるから、お前は車で」

「やだ!!」
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