離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「華…」

「隣じゃなくて、ここがいい」


そう言って華乃が来たのは俺の膝の上。


俺の足を枕にしてソファーに寝そべる。


俺を見ずに横を向き、テレビの方に顔を傾ける華乃があまりにも可愛くて、その行動や言葉に、不覚にも胸が反応してしまった。


「…甘えさせてくれるんでしょ?」

「──。」


──こいつのツンデレには適わない。


たったこれだけで、俺の心は鷲掴みにされる。

もうお前の虜だよ。愛しくて堪らない。


肩まである、柔らかく茶色い華乃の髪を、優しくとかすように撫でる。


何度も何度も、こみ上げる愛しさを伝えるように。
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