離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「これでお湯がたまるまで寒くねぇだろ」

「ぶっ!服濡れちゃったじゃん!馬鹿!」


せっかくすぐ出掛けられる格好してたのに!

…いや、そこも重要だけどもっと色々あるでしょ、わたし。


「今脱がしてやるから」


龍成がジェルを浴槽に入れて、段々と泡が増えてくる。


「いらない!出る!」

「そんなの許しません」

「っ!」


シャワーが降り注ぐ中、龍成もわたしもびしょ濡れになりながらキスをされる。


会話が消されたバスルーム内。


シャワーの音が、無性に大きく耳に響きわたる。


「…その顔、煽ってるとしか思えねぇ」

「……え?」


シャワーの音で聞こえなかった。もっと大きい声で言ってよ。
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