離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
それなのにしっかりと腕を取られてしまった。


強く腕を引かれ、勢いで体ごと龍成の上に乗り、抱っこされてしまう。


た、耐えられない!この恥ずかしさ!


「すげぇ、顔真っ赤」


吹き出すように、龍成は笑って言う。


「こ、これは、あっ、熱くて……ていうか恥ずかしすぎる…」


そりゃ赤くもなるわ。

これはもう人生最大の羞恥……。


「火照った華乃ちゃん、可愛い」

「からかうのやめて」


龍成の言うことを流す余裕なんてないんだから。


その証拠に、目を合わすこともできない。


「マジで。濡れてて色っぽい」

「──っ、ほんとにやめて!龍成はこういうの慣れてるかもしれないけど、わたしは経験ないからいっぱいいっぱいなの!恥ずかしくて死にそう!」
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