離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
少し前まではこういうのが普通だったんだよな。

楽しく感じてたんだよ。


それが今じゃ、何がいいのかわからない。何の魅力も感じない。ある意味大人になったってことなのだろうか。

いや、逆につまんねぇ男になったんだろうな。


「お二人で今日は仕事帰りですか?」

「仕事帰りっていうか、五十嵐さんをヘッドハンティング中」
 
「え?!ヘッドハンティングって、引き抜きみたいなやつでしょ?すごくない?それ!」

「そうそう、すごい人なんだよ五十嵐さん。営業のレベルが半端ないんだよ」

「そうなんですか?!五十嵐さん!」


お、真奈美ちゃん、しっかり合わせてんじゃねぇか。

余計なことを言ったりするかと思ったけど大丈夫そうだな。


「いやいや、神田さんの方がすごいから。なんたって次期社長だからな」


……余計なことを言うのはこいつか。

俺の話なんてしなくていいってのに。
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