離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
わたしの高所恐怖症のせいだよ。でもやっぱり寂しかった。わがままなのはわかってる。わかってるの。


お母さんと來乃に送られて、龍成を待ってる間、馬鹿みたく悪いことばかり考えてた。


女の人と来たらどうしようとか、帰ってこなかったらどうしようとか、本当、馬鹿としか言いようがない。


普通に一人で帰ってきてくれてすごく嬉しくてすごく安心したけど、その時の龍成の表情、そして、香水の香り。


また、不安でいっぱいになった。


大丈夫だよね?何も心配することなんてないよね?

龍成のことだから、浮気するとしたらもっと上手くやるはず。それこそわたしが気づきもしないくらい完璧に。


……だよね?


「お前、シャワーは?」

「浴びたよ」

「じゃ、俺浴びるわ。先寝てていいから」

「うん」
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