離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
無事ウエットティッシュとポケットティッシュをいくつか買い、戻ろうと路地裏をまた通った時──。


「──わっ!」


な!なに?!


後ろから二つの手が素早くわたしの脇の下を通り、胸を鷲掴みにする。


驚きのあまり体が固まってしまい、反応するのに時間がかかった。


思考回路が動き出した時には、手が離れ走り去っていく足音が。


バッと後ろを向くと、人影は恐ろしい速さで消えていった。


……う、嘘でしょ?


わたし、痴漢に遭ったの?


思いっきり触られた。触られたというより掴まれた。一瞬の出来事。でもまだあの手の感触が残ってる。気持ち悪いくらいに。


現実を受け止めたくないのか、頭の中は軽く混乱していて体が動かない。
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