離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
お義父さん、お義母さんがこれまた物凄い形相。

こ、怖い。


「警察へは報告したのか?」

「あ、はい。一応…」

「警察に行ったところで捕まるわけがないわ。これは神田の裏会社の総力をあげて探しあてないと…」

「んなことしたって捕まんねぇから。つーかどんだけだよ」


う、裏会社?!響きが怖いんですが!


「あなたがしっかりしていないからよ!」

「だからもう俺は風俗に行かねぇから!」

「龍一さん!龍成がこれ以上馬鹿なことをしないように見張りを!」

「見張りなんかつけなくたってしねぇよ!」


──神田家みんなが、わたしのことを真剣に議論してくれている。

本気で考え込むお義母さんを見て、悪いなと思いつつも嬉しく感じた。


嫁のわたしを、こんなにも心配して、考えてくれて。


どうなることかと思ったお義父さんとお義母さんとの関係も、大丈夫な気がするよ。


やっぱりわたしは幸せ者だな。今までの憂鬱やストレスが吹き飛んだ。ある意味痴漢に遭って良かったかも。
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