離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
手の届く距離に来た華乃の腕を、瞬時に強引に引き寄せ、抱きしめながらソファーに倒れ込んだ。


「……やっと触れられた」

「……」


この数日間、一緒にいても触れられなかったもどかしさと歯がゆさ。


爆発しそうになる感情を抑え込むように、華乃をきつく抱きしめる。


拒絶されることは、思った以上に俺の胸をえぐっていた。


今、ようやく満足に呼吸ができた感覚に陥る。


「何を言われても、絶対に離さねぇからな」

「……ごめん」


──ごめん?


「なにが?」

「変なこと勘ぐって、可愛くない態度をして、ごめん」


……ふざけんなよ。お前にんなこと言われたら、心臓もたねぇっつーの。


「華乃ちゃんは本当に俺を狂わすのが上手いな」

「な、なにそれ」

「いきなり素直になられると、俺はお前が狂おしくてたまらなくなる」
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