離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「聞く意味がわかんねぇ」

「……好き」

「華乃ちゃん、それ反則」


微笑み合うと、少しずつ距離を縮めていく。


もう少しで唇が触れそうな瞬間、


「あ、本当に仕事だったんだよね?」


……こいつは。


「そうだって。親父もあとから言ってただろ。感情抜きの完全な仕事だったって。もう次からは親父にどんなに頼まれても風俗なんかいくか」

「別にキャバクラ、行ってもいいよ。行きたいなら」


─はあ?


「本気かよ」

「キャバクラまでなら許せる。でもそれ以上はだめ」

「却ってキャバクラの方が浮気に発展しやすいのにか」

「嫌だけど、やっぱり可愛い子に癒されたくなるでしょ?」


…この劣等感女め。


「馬鹿かお前は。んなふざけたこと言う前にお前が俺を癒せよ」

「わたしじゃ可愛さは補えないもの」
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