離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】

華乃と龍成の仕合わせ

「……なんで」


自宅のウォータークロゼットの中。


思わず口から出た独り言。


下着についた薄く赤い染みが目に入り、どんよりと気分が沈む。


──結婚して数ヶ月、仲良くやっているつもり。

それなのに、毎月無駄に正常にくる女の子の日。


もう妊娠してても全然おかしくない、むしろしていてもいいはずなのに、その兆候は全くない。


今月もばっちりきてしまっているし。……あれ?先月はいつきたっけ。


ま、いいや。

──いや、よくないって。


どうしよう。わたし、子供ができにくい体だったら。できにくいどころかできない体だったら。


結婚前から悩んでいたことが、現実になってしまったら、わたし……。


「なんだその顔は」


ため息混じりにトイレから出ると、お風呂上がりの龍成とはち合わせる。
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