離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
へその緒が首?!


「それでも地獄だったけどね」

「へその緒が首に巻き付くって、本当に大丈夫だったのかよ!」

「大丈夫ですよ!向きを変えたらすぐに外れましたから」

「……あ、そうなんですか?なんだかご迷惑をかけてしまいすみません」


でも一歩間違えてたらと思うと恐ろしいな。


「いいえ、よくありますから。そろそろお部屋に移動しましょうか。次にも産まれてくる赤ちゃんが控えてますから。赤ちゃんとベビーベッドはわたしが連れていきますので、お父さんはお母さんを支えてくださいね」


そう言われ、俺は覚束ない手でおばさんに子供を手渡した。


……ん?支える?


「お前、歩けねぇのか?」

「歩ける…と思うけど」


とか言いながら、分娩台から床に足を下ろし立ち上がろうとすると、早速よろける華乃。


「言ってるそばからお前は」

「あは。やっぱり一人じゃ無理っぽいわ」

「当たり前ですよ。赤ちゃんを産んだんですから。次はぜひお父さんも立ち会ってくださいね」


……そうだよな。人一人産んでんだよな。

目にしてはいないからどんなもんかはわからねぇけど、相当大変だったんだろう。


「はい、ぜひ」


華乃の手を取り支えながら、分娩室を後にする。
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