離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
さっきとは一風変わって、思いっきりカップルのみの店内。

薄暗い照明。個室はないけれどスペースが区切られていて、その一つ一つが二人しか入れないほど狭くできている。


店員さんに案内され席まで歩きながら、わたしはキョロキョロと周りの様子を窺っていた。


わ……みんな雰囲気が甘い。

ぎゃっ、あのカップル、ちゅーしてるよ!

ここ、普通の飲み屋だよね?!


「こちらへどうぞ」

「華乃、こっち」

「あっ、はい!」


一人挙動不審な行動をしつつ着席。


「ご注文をどうぞ」

「ジントニック」

「えっと……アメリカンレモネード」

「お前、ワインいって大丈夫かよ」

「大丈夫だから頼んでるんでしょ」

「悪酔いするぞ」

「うるさいな。飲みたいの!お願いします!」

「はい、かしこまりました。ジントニックとアメリカンレモネードですね」

「はい!」

「ただ今お持ちします。お待ちくださいませ」


店員さんが苦笑いをして去っていく。
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