離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
お前が何と言おうと、お前は俺と結婚するんだ。

…でもそれは俺の驕りであって、華乃にとっての幸せじゃなければ何の意味もない。


──いくら一人で考えても堂々巡りだ。


寝落ちする前にちゃんと話し合うべきだったな。こいつ、面倒だけど酔ってた方が素直だ。


「華乃、帰るぞ」

「……」

「華乃ちゃーん」

「……」


軽く揺すっても起きる気配がない。


仕方ねぇな。


会計を済ませ、華乃を背中に乗せて店を出てパーキングまで歩く。


外の風は冷えて、冬の始まりを告げていた。


…あ、代行呼ぶの忘れたな。いいわ、華乃を車に乗せてから電話すれば…


「…りゅーせー、好きだよー」


ドキ。


胸が大きく波打つ。
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