離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
……わたし、なにもやらかしてないよね?

今まで記憶をなくすことは何度かあった。

でもどれも女友達と飲んだ時だけだったし、それほどやばいことはしてなかったから笑い話で終われた。


──だがしかし。


今回は話が違う。

相手は男。それも一応婚約者。


もし!もし、ありえない失態をしてしまっていたとしたら!ありえない醜態をさらしてしまっていたとしたら!


そのせいで、は、破談なんてことになってしまったら……!


悔やんでも悔やみきれない。一生の心残り……。


そもそも抱きかかえられて帰ってきた時点で多大な迷惑をかけている。


どうなの?男から見て、酒癖が悪い女ってどうなの?普通に最悪だよね?


……とりあえず仕事が終わったら電話して謝ろう。それからだわ。


──はぁ。


桜庭華乃、ここに禁酒を宣言します……。
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