離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「わり。手加減できなかった。骨は折れてねぇだろ。てか、それ俺の台詞なんだけど」


何の悪びれもなく、凍った笑顔で言ってのける龍成。


「はあ?」


地面に座り込んでいる崇憲に合わせ、龍成もしゃがみこむ。

そして崇憲の胸ぐらを掴んでぐっと引き寄せた。


顔を近づけ、龍成は睨みつける。


「なんでお前がここにいるんだよ。しつこいにも程があるだろ。その上俺の嫁になにしてくれてんだ」


龍成…。


すると崇憲はふっと笑った。


「俺の嫁?よく言えたもんだな。華乃を幸せにできてないくせに」

「あ゛?」

「久しぶりに華乃の顔を見に来たら、くそも幸せそうじゃねぇ。仕事中だってのに無理やりな笑顔だ。顔見て帰ろうかと思ったけど、んな華乃を見たら気が変わったんだよ。俺といた頃のほうがまだマシな顔してたわ」 

「──。」


崇憲の言葉に、龍成の表情が止まる。
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