離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「…言い返せないってことは、お前…っ、うおっ」


龍成が急に手を離し、崇憲がよろけた。


な、なんで何も言わないの?龍成…。


立ち上がり、ただ崇憲を見つめたまま。


「…りゅ…」

「やっぱ無理だわ」


──え?

無理って、なにが?


もしかして、わたしとの結婚…?!


「ちょ、ちょっと待っ…」

「ミジンコだろうがなんだろうが妬いちまうもんはしょうがねぇだろ!」

「……は?」


み、ミジンコ?って、何?


「この一ヶ月半が無駄になったわけじゃねぇ。完璧な人間なんていねぇんだ。いい男に一つくらい欠点があった方が人間味があっていいだろ」


龍成の言っている意味がわからず、わたしと崇憲はぽかーんとするしかなかった。
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