離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「これのどこが夢なんだよ」

「は?なんの話?いきなりなんなの!離してよ!」


どういうつもりよ一体!


「お前の夢でも妄想でもなんでもない。俺がお前を愛してるのは紛れもない現実だ」

「──っ」


ど、どうして知ってるの?わたしがいつも胸の中に閉まっている気持ち。

口にしたことなんてないのに…。


「これだけリアルな感情なのに、魔法だなんてふざけた言葉でまとめようとするな。俺の気持ちがなくなる前提でいるなんてやめろ。いつかなくなる気持ちなら、初めから結婚なんてしようと思わない」

「…龍成…」


わたしがいつも不安に思っていること、全部ばれちゃってる。

不思議でしょうがないのに、龍成の言葉が素直に嬉しくて、自然と涙がこぼれた。


「泣くほど嬉しいのかよ」


にやっと龍成は意地悪そうに笑う。


「…違う。痛いの」

「は?んな強くやってねぇだろ。ほんっとに素直じゃねぇな」
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