『kiss me...。』



しばらく無言が
続いた。



「ねぇ…」



無言を破ったのは
あきだった。



「あ?」



「あたしと結婚して…」



俺は耳を疑った。


「は?」



「あたしとこの子の
お父さんになって!」



あきは泣いていた…
子供を産む事なんて
どんなに不安だろう。
それに父親がいない…。

だけど俺には
優がいる。
俺は優を幸せに
しなくちゃいけない。




「無理だ。」



「お願い…彼女さん
年下なんでしょ?
ならまだ誰かいるじゃない。
あたしにはもう幹斗しか
いないの…お願い…。」



確かに優は
俺より若いし
可愛いからモテるだろう。
だけど優は
俺が幸せにしたかった。



「急に電話してごめんね…
また聞くから考えておいて。」



あきは
そう言うと
自分から切った…。


俺は優に電話できなかった。
こんな気持ちのまま
優と電話したら
優に心配かけてしまう。
明日謝りのメールを
送る事にして
俺は寝た……。


だけど
寝れるはずもなく
何度も寝返りばかりした。


優…
ごめんな…。



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