『kiss me...。』
いつも俺が
飯を食う部屋へ
あきを案内した。
部屋に入るなり
あきは話した。
「あたし、赤ちゃん…
おろすね………。」
「え?」
「なんかね、お母さんの体に危険だけどおろす事できるらしいから。」
あきは
ずっと下を見て話していた。
「赤ちゃんの頭を
割って殺すの…。」
俺は何も
言えなかった。
早く検査をしなかった
あきが悪いが
頭を割って殺す…。
せっかく
授かった命なのに
祝福されないだけで
どうしてこんなに
酷い事になるんだ…?
望んでも産めない
人達がいるのに
こんな事していいのか?
「赤ちゃん、ごめんねッ…
うっ……ンぐッ……」
あきは
大きな涙を流して泣いた…
俺は悩んだ…
関係ない話しかもしれない。
だけど、やっぱり
人事とは思えなかった。
俺は優との
思い出を思い出した。
俺は優を幸せに
できていたのか…?
俺は優に
幸せをもらって
ばかりだった…
こんな俺が、
優の彼氏でいいのか?
優の一生をもらっていいのか?
考えれば考えるほど
俺と別れる事が
優にとって幸せな
気がした……。
悔しいけど
俺じゃない誰かと
一緒になった方が
優は幸せに
なれるはずだ…。