『kiss me...。』



「産もう……。」



「え…?」



俺は決めた。
あきの腹にいる
子供の父親になる事を…。



「幹斗…?」



「結婚しよう…。」



優に言いたかった言葉…



「いいの…?」



「あぁ。」




「ごめんなさいッ……」



泣いて震えている
あきを優しく
抱き締める。

俺は静かに泣いた…。
もう二度と優には
会えない。
優を幸せにできなかった
悔しさや
これから優が
違う奴に触られる…
違う奴に幸せにされる…
スゲェ悔しかった…。

もう二度と
あの優しい優の
笑顔を見る事は出来ない。



「あき…幸せになろうな。」


耳元で
そう呟いた。
あきは泣いて
声が出せないのか
何度も大きく
うなずいていた……。





< 116 / 133 >

この作品をシェア

pagetop