『kiss me...。』



「ぉーいおーい!」


「ぅん?」



誰かの声で
起きた。



「起きたか?朝だぞ?」


声のする方を
見ると
先輩が寝癖のついた
髪の毛をいじりなから
立っていた。



「あ、おはよございます」



「おはよ」



毛布から出ると
哲君がいない事に
気づいた。



「あれ?哲君は?」



「あーアイツ風呂行った。つか優家大丈夫か?」



「え?」


「無断外泊」



先輩の言葉に
いっきに
目が覚めた…



「ヤ…ヤバイ…」


急いで
ケイタイを
探しお母さんに
電話をかける。


プルルルルル



「もしもし?優?何処にいるの!」



怒られた…。
そりゃ無断外泊は
さすがに怒るよね。


「先輩にご迷惑かけないようにしなさいよ。あと話しあるから早く帰って来なさい。」


「はい……。」



電話が切れると
自然と大きな
ため息が出た。



「じゃぁ行くぞ。」


お母さんの声が
大きかったから
近くにいた先輩に
聞こえていたみたいだ。


「すみませんッ」



「大丈夫だぞ。」


荷物をまとめて
先輩のあとを
追うとちょうど
哲君が洗面所から
出て来た。


「お!あ、優送ってくるな。」


「あ、はいッ」



「じゃぁね」


「おう」



車に乗ると
先輩は急いで家に
向かってくれた。



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