『kiss me...。』
「・・・。」
無言が続く・・・。
あたしは外を見ていた。
でも、もう変な事で悩むのは
こりごりだ。
遊びならここで終わらせよう。
「あの・・・」
「なに?」
いざ聞くとなると
勇気がいる・・・。
「遊びだと思った?」
「え?」
「それなら心配ないよ。」
笑いながら
幹斗は答えた。
あたしはこんなにも
悩んだのに
そんな軽く言われて
腹が立った。
「じゃ、どうして電話してくれなかったんですか!」
聞きたかった言葉を口にすると
のどがつまり
涙が出てきた・・・。
あたしはこんなに悩んだのに・・・。
「おい・・・泣くなよ。」
「だって・・・」
涙が止まらない。
答えがわかって安心したのか
今まで一人で
悩んでた自分がバカバカしいのか・・・
幹斗はあたしの頬をつたう
涙をそっと手で拭うと
抱きしめてくれた。
そして耳元で
「ごめん・・・。」
そう呟いた。
あたしはしばらく幹斗の胸で
泣いた。