『kiss me...。』


日曜日ーーーーー


「友達の家行ってくる。」


「気をつけてね。」


ガチャ


あたしは今反抗期だ。
お母さんはシングルマザー
あたしが4歳の時
両親は離婚した。
もしかして、街中で
父親とすれ違った事があるかもしれないけど、
気づかないぐらい
父親との思い出はない。
顔も覚えていない。


「優。」


いつもの場所に行くと
車の窓を開けて
幹斗があたしを呼んだ。


「今日は早いね。」


「まぁな。」


幹斗は約束の時間を
いつも5分は遅れる。
でも今日は5分前に来ていた。
あたしが助手席にのると
車は動きだした。


「今日はどこ行くの?」


「俺の家。」


「え?」


あまりにも
スラっと答えた幹斗に
あたしは少し戸惑った・・・。


「いいよな?」


「あ、え・・・あ・・・はい・・・・。」


「迷いすぎ・・・」


車はあたしが知らない
道を走っていく。
実は幹斗の家に行くのは
今回が初めてだった。

家に行くってことは・・・
アレだよね・・・。

あたしは初めてだった。
怖いと言うより
興味の方が上だった。



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