『kiss me...。』


「ここ。」


初めてきた幹斗の家は
結構大きなマンションだった。


「おっきい・・・」


「行くぞ。」


幹斗に手を引っ張られながら
中に入った・・・。
まるで高級マンションのようなここは
セキュルティーもしっかりしていて
ちょっとカッコよかった・・・。
幹斗の部屋があるのは
5階だったので
エレベーターに乗っていった。
その時
買い物帰りのおばちゃんと
一緒になって
すこし気まずかった・・・。
マイバックから
大根がはみ出していて
主婦って大変そうだなぁと思った。
買い物帰りのおばちゃんは
4階でおりた。
チラッとあたし達の方を見て
帰っていった。


「やっと二人だけだな・・・」


幹斗があたしの耳元で
つぶやいた・・・。


「バカッ。」


頭を軽く叩くと
幹斗はイタズラして
先生に怒られているのに
反省してない小学生みたいな
顔であたしを見た。
ズルイ・・・
なんだか
すごく幹斗が愛しく感じた。


「お、着いた。」


またあたしは幹斗に
引っ張られて歩く。
ほんの少し歩いたら
一つのドアの前で幹斗は
立ち止まった。


「俺の家。」


「家ってか部屋でしょ?」


あたしがつっこむと
黙って鍵をあけた。

カチャ・・・

思ったよりも
軽い音がなると
幹斗はゆっくりドアをあけた。
緊張する・・・
浅い深呼吸をして
部屋に入った。

「お邪魔します・・・。」




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