『kiss me...。』

それから準備をして
出かける事にした。

あたしがどこに行くのか聞いても
幹斗は答えてくれない・・・。


「ねぇ、どこ行くの??」


「着けば分かる。」


「しかも高速に乗ってさ・・・」


「大丈夫。今日のうちには家にかえすから。」


「もう・・・。」



じゃぁこっちだって・・・


「テレビの横の写真どうして持ってるの?」



「えっ?」


幹斗は前を見ながら
音楽の音量を小さくして
もう一度聞きなおしてきた。


「なに?」


「だから、テレビの横の写真!」


大きな声で言うと
分かったのか
また音量をなおして
澄ました顔で何も言わない・・・。


「え、無視!?」


「秘密の方がいい。」


幹斗は意味不明な事を
言うと歌をうたいだした・・・。
てか幹斗ってこんな
キャラだっけ?


「なんか機嫌いいね。」


「隣に優がいるから。」


「あっそ・・・。」


最近のあたし達は
漫才師みたい・・・。
あたしがボケる時もあれば
幹斗がボケる時もある。
やっと気を使わなでも話せるように
なった気がする・・・。
今日も新たな幹斗を発見した・・・。


幹斗は嬉しい時
歌をうたうんだ・・・。
あたしだけが知ってる幹斗。



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