『kiss me...。』


「マジありえないって!!」


「寝るほうが悪い。」


「ホラ、行くぞ。」


車から降りて
外の風景を見たあたしは
思わず叫んだ・・・。


「海!!!!!」


海なんてありきたりかも
しれないけど
本当に感動するんだ・・・。


「もっと近く行くか。」


幹斗と手をつないで
足場の悪い砂浜を歩く。

秋の海の風は少し冷たくて
半袖だと肌寒かった。

幹斗はあたしが寒いのに気づいたのか
着ていたパーカーを
貸してくれた。


「ここらへんか。」


「うん。」


海に近いけど
風があまり来なくて
砂もきれいな所に二人で
腰をおろした・・・。


「キレイ・・・」


「前から行こうと思ってた。」



幹斗の横顔は
秋の夕日に負けないくらい
キレイでカッコよくて・・・
ついつい見とれてしまった。


「でもさ、海ってスゲェよな。俺らが今見てるこの海だって
 違う国の人が一緒に見てるかもしれねぇし、
 先が見えないように見える海だけど
 ずっと繋がってて・・・」


「そうだね・・・」
 


あたし達はそのあと
何も言わずキスをした・・・。
優しいキスだった。
何度でも幹斗を感じたくて
何回もキスをした。


幹斗、愛してる・・・。
ずっと一緒にいようね・・・。





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