『kiss me...。』
「あたしね、翔太との子
本当に欲しかったよ??」
「うん…」
「でも、それはあたしが
ちゃんと親としての責任が
持ててからじゃなきゃ意味がない…。」
「そうだね…」
震えるアヤカの背中は
今まで見た事がないくらい
弱々しくて
なんだかアヤカじゃないみたいだった。
「あたし、まだ子供いらないよッ…。」
最後の力を
振り絞るかのように
アヤカはそう言った。
それはそうだと思う…。
だって楽しい今を
捨てて、子供を
育てなきゃいけないから。
子供を育てることは
本当に難しいこと。
自分の時間さえなくなる。
覚悟がなきゃ絶対に
子供を育てるなんて出来ないし
やっちゃいけない。
そんなの
17歳のあたし達にでも
分かる。
アヤカは今
一つの命をお腹に
宿しているかもしれない。
でもその命を
どう守るのか
アヤカは悩んでいるんだ…
あたしやアミが
決めることじゃない。
アヤカ自身が
決めることなんだ。