『kiss me...。』


「どこ行くの?」


家に帰るには
まだ早い時間だった。


「どこ行きたい?」


幹斗は逆に
聞いてきた。


「うーん…。」



「お母さんは今日は夜勤??」



「うん。でもお父さんがいる…。」



お父さんが
戻ってきてくれた事は
すごく嬉しいけど
こうゆう時って
不便だなぁって思う。



「じゃ7時半までには
  返さないと怒られちゃうな。」



前を見ながら
幹斗は笑って言った。


せっかく
久しぶりに会えたのに
もっと一緒にいたい。

そんなワガママを
思ってしまい
自然と目線が下になる。


「おい、そんな顔すんな?」


前を見ると
信号が赤だった。

この信号が
ずっと赤のままで
いて欲しいって思った。

会ってる時
時間が止まればいいって思った。


スキに不安や
ワガママが比例してる
気がした…。


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