『kiss me...。』

「あ、コレ。」

幹斗さんの車は
新車みたいにピカピカだった。
それに大きかった。
色は大人っぽい黒。



「お願いします。」

「はいよ。」


車のドアを開けると
なんだか甘い香りがした。


「いい香りですね。」


「あぁ、芳香剤の香り?俺新車のニオイ駄目だからさ。」


幹斗さんは
車のキーを挿しながら言った。


「あのさ・・・」


「はい・・・」


幹斗さんが前を見ながら
聞いてきた。


「優ちゃんは彼氏いないの?」


「いません・・・この前振られたばっかなんで。」


「そっか。」


エンジンをかけて
車は走りだした。
あたしは横で
道の案内をしながら
時々チラッと幹斗さんを見た。
やっぱりカッコイイ・・・
10分ぐらいで家に着いた。
あたしの家の門限は夜の7時半まで。
門限まであと
10分くらだった。
セーフ・・・


「あ、ここです。」







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