10年愛してくれた君へ
2.久しぶりの恋
「俺が3年の担任になって毎回開催するイベントだ!進学予定の野郎どもは強制参加だからな!!」
順調に始まった学校生活。
3年になって最初のイベントが”受験合宿”ですと。
周りからはブーイングの嵐。
みんなそれぞれ塾に通っていたり各々受験に向けての準備を進めている中でのこんな催しだから、そりゃ嫌な人は嫌だよね...
何もしていない私からしたら、少しありがたいかな。
勉強苦手だし。
「どうする藍?参加すんの?」
前の席の充希が振り返り、小声でそう言う。
「うん、一応進学希望だし...多分勉強だけじゃないでしょ?」
そう言いながら配られた黒山お手製の行動予定表をパラパラめくり、ある文字が目に入った。
”クラス対抗球技大会”
ほらね、熱血体育野郎の黒山は勉強だけじゃ終わらせないよ。
「げっ、球技大会?ますます行く気なくすわー」
「充希はスポーツあんまやらないもんね」
「藍は意外と運動できるもんね」
運動できるかはわからないけど、体を動かすのは好きな方だ。