10年愛してくれた君へ
「なになにー?種目は男子野球、女子ソフトボール!?なにこれ、自分の好きなものしか詰め込んでないじゃん。ないわー」
「何か言ったか伊藤」
黒山の尖った鋭い視線が一直線に充希のところへ飛んでくる。
「いえー」
「声大きいよ、充希一番前なんだから」
「でもさー、野球とソフトよ?自分が野球部の顧問だからって2種目だけとかありえないでしょ」
黒山は球技大会に相当力を入れているみたいだな。
「と、いうわけだ!最後のページに出欠表があるから、それに記入して来週まで持ってこい!いいか?進学予定の野郎は全員参加だからな忘れるなよ!?」
黒山の太い声が教室中に響き渡る。そんな黒山とみんなの温度差に当の本人は気づいていない様子。...おめでたい人だ。
「はぁ...」
隣から聞こえてきたため息。ちらっと目をやると、一人の男子が行動表を曇った顔をして見ていた。
えっと、確か名前は...
「河西くん...だよね?どうかしたの?」
河西涼(カサイリョウ)くんだ、最初見た時から、爽やかな人だなーって私の中では好印象だ。
直接話したことは全然ないのだけれど。
「何か言ったか伊藤」
黒山の尖った鋭い視線が一直線に充希のところへ飛んでくる。
「いえー」
「声大きいよ、充希一番前なんだから」
「でもさー、野球とソフトよ?自分が野球部の顧問だからって2種目だけとかありえないでしょ」
黒山は球技大会に相当力を入れているみたいだな。
「と、いうわけだ!最後のページに出欠表があるから、それに記入して来週まで持ってこい!いいか?進学予定の野郎は全員参加だからな忘れるなよ!?」
黒山の太い声が教室中に響き渡る。そんな黒山とみんなの温度差に当の本人は気づいていない様子。...おめでたい人だ。
「はぁ...」
隣から聞こえてきたため息。ちらっと目をやると、一人の男子が行動表を曇った顔をして見ていた。
えっと、確か名前は...
「河西くん...だよね?どうかしたの?」
河西涼(カサイリョウ)くんだ、最初見た時から、爽やかな人だなーって私の中では好印象だ。
直接話したことは全然ないのだけれど。