10年愛してくれた君へ
その後、無言のまま私たちは帰った。
それは気まずさのある無言ではなく、今のこの時間、一瞬を噛みしめるかのように。
別れ際に『またね』と言葉を交わしただけ。
家に帰り、リビングに顔も出さずにそのまま自分の部屋に入った。
「春兄…」
静かな空間に、私の小さな声が響き渡る。
春兄のこと、何でも知っていたようで、実は知らないことばかりだ。
私の入る隙なんてないくらい、何かを背負っているのかな。
どんどん春兄が遠くなって行くような感覚に陥り、自然と涙が溢れた。
「…さっきも泣いたのに、バカみたい」
それでも溢れ出る涙。
それを拭うこともせず床に座り込んだ。
あぁ、気付いちゃった。
私、春兄のこと、好きなんだ。
幼馴染としてではなく、"特別な人"として。
それは気まずさのある無言ではなく、今のこの時間、一瞬を噛みしめるかのように。
別れ際に『またね』と言葉を交わしただけ。
家に帰り、リビングに顔も出さずにそのまま自分の部屋に入った。
「春兄…」
静かな空間に、私の小さな声が響き渡る。
春兄のこと、何でも知っていたようで、実は知らないことばかりだ。
私の入る隙なんてないくらい、何かを背負っているのかな。
どんどん春兄が遠くなって行くような感覚に陥り、自然と涙が溢れた。
「…さっきも泣いたのに、バカみたい」
それでも溢れ出る涙。
それを拭うこともせず床に座り込んだ。
あぁ、気付いちゃった。
私、春兄のこと、好きなんだ。
幼馴染としてではなく、"特別な人"として。