10年愛してくれた君へ


家に入るなり、自分の部屋へと向かう。


ベッドの上で小さくなった私はプレゼントのショップバッグを開いた。


中には可愛くラッピングされた物と、封筒が入っていた。


しかも、封筒には厚みがある。


いつも春兄がプレゼントをくれる時、バースデーカードはついていない。


だから不思議に思った。



封筒を開くと、何枚か綴りの手紙が入っていた。


いつもと違う何かを感じ取り、激しくなる鼓動を落ち着かせるように深く息を吐く。


そして、それをゆっくりと開いた…







【10年好きだった君へ-----…】




「っ!!」


出だしの文章を目にした瞬間、反射的に手紙を閉じた。


気づいてしまったから。




これがただの、バースデーメッセージではないことに…



胸がドキドキする。それも、耳に聞こえるくらい大きく、激しく。


春兄の気持ち、これから告げられるであろう真実を知る恐怖、色々な感情が入り混じったドキドキだ。


手紙を持つ手が震える。


「…読まなきゃ」


春兄の思い、綴られたこの手紙を…


読まなきゃ。


しっかり受け止めなきゃ…



再び深呼吸して、手紙を開いた。



そこに書かれていたのは、温かくも切ない、春兄の大きな"愛"だった…








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