10年愛してくれた君へ
当時、藍は内気で大人しく、あまり自分を主張しないタイプだった。
そんな藍は、よく友達からおもちゃを奪われたり、砂場で遊んでいたら邪魔をされたり、いじめと言うには大袈裟かもしれないが、イタズラをされていた。
昔から泣き虫だった藍。
その場面に遭遇すれば、もちろん助けたりはしていたものの、いつでも一緒に居たわけではなかったから、俺の知らないところでたくさん酷いことをされていたのだろう。
ある日、藍がブランコに乗っていると、男の子二人が藍を無理やり下ろそうとした。
藍は頑なに拒み続けたが、一人が藍を思い切り押し、頭から落ちてしまった。
もちろん大泣きする藍。
藍が落ちた瞬間を見た俺はその場に駆け寄り、男の子二人に怒鳴り散らした。
「おい!危ないじゃないか!!女の子を怪我させるなんて、男として最低だぞ!?」
上級生の俺に怯んだのか、二人は藍に謝りもせずに足早に去っていった。
まだ泣き続けている藍。
「藍、大丈夫か?痛かったな、怖かったな」
「うっ…春兄ぃ…」
ギュッと抱きついて来る藍。
この子は俺がいないとたくさんいじめられ、傷つく。
俺が守ってやらないと…そう思った。
「俺がいるから。安心して」
そう言うと、藍は顔を上げて、目に涙をたくさん溜めて『ありがとう』と小さく微笑んだ。
その時からだ。
藍を守らなきゃという使命感と同時に、恋心を抱いたのは。
そんな藍は、よく友達からおもちゃを奪われたり、砂場で遊んでいたら邪魔をされたり、いじめと言うには大袈裟かもしれないが、イタズラをされていた。
昔から泣き虫だった藍。
その場面に遭遇すれば、もちろん助けたりはしていたものの、いつでも一緒に居たわけではなかったから、俺の知らないところでたくさん酷いことをされていたのだろう。
ある日、藍がブランコに乗っていると、男の子二人が藍を無理やり下ろそうとした。
藍は頑なに拒み続けたが、一人が藍を思い切り押し、頭から落ちてしまった。
もちろん大泣きする藍。
藍が落ちた瞬間を見た俺はその場に駆け寄り、男の子二人に怒鳴り散らした。
「おい!危ないじゃないか!!女の子を怪我させるなんて、男として最低だぞ!?」
上級生の俺に怯んだのか、二人は藍に謝りもせずに足早に去っていった。
まだ泣き続けている藍。
「藍、大丈夫か?痛かったな、怖かったな」
「うっ…春兄ぃ…」
ギュッと抱きついて来る藍。
この子は俺がいないとたくさんいじめられ、傷つく。
俺が守ってやらないと…そう思った。
「俺がいるから。安心して」
そう言うと、藍は顔を上げて、目に涙をたくさん溜めて『ありがとう』と小さく微笑んだ。
その時からだ。
藍を守らなきゃという使命感と同時に、恋心を抱いたのは。