10年愛してくれた君へ
もやもやしたままたどり着いたショッピングモール。


考えすぎても仕方がない!昔から一緒だった私といるときの春兄が本当の春兄だ!と自分を落ち着かせ、買い物に専念することにした。




雑貨のお店に一通り入り目星をつけ、一番春兄が気に入りそうなペンケースが置いてあるところに戻ってくる、それが効率よく買い物をするための私なりの方法。


よし、まずは端のお店から攻めていこう。



あれでもないこれでもない、と、ない頭をフル回転させながら、そして、春兄のことを考えながら次々と手に取っていく。


そんなことを繰り返し、あるお店を出ると、思わぬ人物に遭遇した。




「あれ?鵜崎じゃん!」


「え!!!かかかか河西くん!?」



急に心臓がバクバクしてきた。


ずっと頭の中には春兄しかいなかったから、急に…しかも今の私の想い人である河西くんが突然現れ、フリーズした。



「こんなとこで何してんの?」


「河西くんこそ!」


キョロキョロ見渡すが、河西くんが連れていそうな人物は見当たらなかったため、多分一人で買い物?


「俺は暇だったからふらっと来てみただけだよ。よく来るんだ、ここに」


「嘘!?私も!私も買い物するときいつもここに来るの!」


これってもしかして…運命だったりしちゃう?


河西くんと会話すると、自然とテンションが上がる。



自分の気持ちに気づいた直後はどうしても緊張しちゃって、学校でもちゃんと目を見て話せることが少なかったけど、今では普通に会話できる。


もちろん、ドキドキしているけどね!

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