10年愛してくれた君へ
---次の日。
朝、起きてすぐに確認した私の携帯。
メッセージの通知は…ない。
もしかしたらアプリの不具合で通知が来ていないだけかも、と思い、アプリを起動させるも、はやり春兄からの返事は来ていなかった。
ふと時計に目をやると、まだ8時。
カーテンを開け、太陽の光を部屋の中に入れる。強くも弱くもない日差しが顔に当たり、眩しさで目を細める。
すると、細目ながら窓の外にスーツ姿の春兄が見えた。
私は咄嗟に窓を開け、気づけば『春兄!』と声を掛けていた。
春兄は私の方を向き、歩いていた足をゆっくりと止める。
「…あ、おはよ春兄。日曜も就活なんだ?」
「…あぁ」
笑みを浮かべるでもなく、怒るでもなく、ただ小さく声を発した。
どうしようかおどおどしていると、そんな私を見た春兄は少し口角を上げる。
「藍、昨日はごめんな。俺どうかしてた」
「春兄…」
「でも、本当に藍は気にしなくていいから」
それだけ言って春兄は歩き出した。
その姿を、見えなくなるまで目で追う。
春兄は、一体何を抱えているのだろう。
優しい春兄の事だ。きっと、私に心配をかけないように、そうしてくれてるんだ。
でも…知りたい。
私が知らない春兄の過去、知りたい。
今までお互い隠し事はしていなかったと思っていたのに、日に日に感じる春兄との距離に戸惑いを隠せないでいた。
大人と未成年の壁?いや、私たちに限ってそんなもの…
「あるの…かな」
私は春兄にとって、邪魔な存在なのかな…?
春兄自身はそう思っていないかもしれない、気づいていないだけで。
朝、起きてすぐに確認した私の携帯。
メッセージの通知は…ない。
もしかしたらアプリの不具合で通知が来ていないだけかも、と思い、アプリを起動させるも、はやり春兄からの返事は来ていなかった。
ふと時計に目をやると、まだ8時。
カーテンを開け、太陽の光を部屋の中に入れる。強くも弱くもない日差しが顔に当たり、眩しさで目を細める。
すると、細目ながら窓の外にスーツ姿の春兄が見えた。
私は咄嗟に窓を開け、気づけば『春兄!』と声を掛けていた。
春兄は私の方を向き、歩いていた足をゆっくりと止める。
「…あ、おはよ春兄。日曜も就活なんだ?」
「…あぁ」
笑みを浮かべるでもなく、怒るでもなく、ただ小さく声を発した。
どうしようかおどおどしていると、そんな私を見た春兄は少し口角を上げる。
「藍、昨日はごめんな。俺どうかしてた」
「春兄…」
「でも、本当に藍は気にしなくていいから」
それだけ言って春兄は歩き出した。
その姿を、見えなくなるまで目で追う。
春兄は、一体何を抱えているのだろう。
優しい春兄の事だ。きっと、私に心配をかけないように、そうしてくれてるんだ。
でも…知りたい。
私が知らない春兄の過去、知りたい。
今までお互い隠し事はしていなかったと思っていたのに、日に日に感じる春兄との距離に戸惑いを隠せないでいた。
大人と未成年の壁?いや、私たちに限ってそんなもの…
「あるの…かな」
私は春兄にとって、邪魔な存在なのかな…?
春兄自身はそう思っていないかもしれない、気づいていないだけで。