10年愛してくれた君へ
河西くんとは、相変わらず冗談言い合って楽しい時間が続いている。
春兄へのプレゼントのことを聞かれたけれど、『すっごい喜んでたよ』と言うと、河西くんも嬉しそうに笑った。
その笑顔にまた胸がときめいたり…
「告らないの?」
何度も充希にそう言われ。
「むむむむ無理だよ!」
恋愛経験の無い私はこう答えるしかなかった。
帰りのホームルームが終わり、各々帰り支度を始めている頃。
「河西先輩!」
河西くんを呼ぶ、一人の女の子。声をする方に目をやると、小柄でショートカットの、見た感じスポーツ女子のような女の子が立っていた。
「高橋じゃん。どした?」
河西くんが"高橋"と呼ぶ女の子。彼女の方へ歩み寄り、何やら親しげに話している。
「あの子、女子サッカー部よ」
充希が振り返り、耳打ちしてくる。
「そうなんだ…」
河西くんのことを"先輩"って呼んでいたから、後輩か…初めて見る子だな。
その高橋さんは、河西くんにボディタッチをしたり、クシャッとした笑顔を向けている。
女の私から見ても、可愛らしいと思えるような子だった。
しばらくすると河西くんは戻って来て、その手にはさっきまで持っていなかったであろう細長い封筒。
「どうしたの?河西くん」
その封筒に目をやりながら問う。
「ん?あぁ、サッカー観戦のチケットだよ。サッカー部何人かで行こうって誘われたんだ」
「そうなんだ…」
サッカーか。好きなもの同士行くと話も盛り上がって楽しいよね。物羨ましさでチケットが入っているという封筒から目を離せなかった。
「男何人女何人?」
すかさず充希が突っ込みをいれる。
「3対3だけど…」
すると充希はボソッと『トリプルデートかよ』と呟いた。
「伊藤何て?」
「いや何でも」
ぷいっとそっぽを向いたのも束の間、すぐに顔を河西くんの方に向け直して口を開いた。
春兄へのプレゼントのことを聞かれたけれど、『すっごい喜んでたよ』と言うと、河西くんも嬉しそうに笑った。
その笑顔にまた胸がときめいたり…
「告らないの?」
何度も充希にそう言われ。
「むむむむ無理だよ!」
恋愛経験の無い私はこう答えるしかなかった。
帰りのホームルームが終わり、各々帰り支度を始めている頃。
「河西先輩!」
河西くんを呼ぶ、一人の女の子。声をする方に目をやると、小柄でショートカットの、見た感じスポーツ女子のような女の子が立っていた。
「高橋じゃん。どした?」
河西くんが"高橋"と呼ぶ女の子。彼女の方へ歩み寄り、何やら親しげに話している。
「あの子、女子サッカー部よ」
充希が振り返り、耳打ちしてくる。
「そうなんだ…」
河西くんのことを"先輩"って呼んでいたから、後輩か…初めて見る子だな。
その高橋さんは、河西くんにボディタッチをしたり、クシャッとした笑顔を向けている。
女の私から見ても、可愛らしいと思えるような子だった。
しばらくすると河西くんは戻って来て、その手にはさっきまで持っていなかったであろう細長い封筒。
「どうしたの?河西くん」
その封筒に目をやりながら問う。
「ん?あぁ、サッカー観戦のチケットだよ。サッカー部何人かで行こうって誘われたんだ」
「そうなんだ…」
サッカーか。好きなもの同士行くと話も盛り上がって楽しいよね。物羨ましさでチケットが入っているという封筒から目を離せなかった。
「男何人女何人?」
すかさず充希が突っ込みをいれる。
「3対3だけど…」
すると充希はボソッと『トリプルデートかよ』と呟いた。
「伊藤何て?」
「いや何でも」
ぷいっとそっぽを向いたのも束の間、すぐに顔を河西くんの方に向け直して口を開いた。