10年愛してくれた君へ
放課後。
河西くんと並んで教室を出る。
「ヒューヒュー相変わらずラブラブですな」
工藤くんが大きな声でそんな事言うものだから、教室内は笑い声やら冷やかし声が飛び交う。
私たちの仲はクラス公認だ。
この感じ...未だに慣れない。
「あー恥ずかしかった」
学校から出て肩をなでおろす。
「あんなの放っておきゃいいんだよ」
「河西くんは堂々としているよね」
堂々と並び、『彼女できたのか?』とすれ違う人に言われれば、笑顔で『おう!』と答える河西くん。
”彼女”として紹介されることがこんなにも照れくさいとは... と、初めての感覚。