10年愛してくれた君へ
「春兄はどっか行くの?」
「ちょっと友達のところにな。エントリーシートの書き方教えろってうるさいんだ」
へー、エントリーシート。それがどういうものなのか、就活なんて私にとってはまだ未知の世界だからよくわからない。
やっぱり大変なんだな、就活って。
「春兄は優しいね」
「...そうか?」
無自覚だな。困っている人がいたら放っておけない性格だもん。
元々長男気質がある人だ。
「じゃあな、友達待ってるし」
「うん!またね」
少し歩いたところで立ち止まり、ゆっくりと振り返る。
春兄の大きな背中がだんだん遠くなっていく。
春兄のことは幼馴染として、とても好きだ。
小さい頃から傍にいたから私のことをなんでも分かってくれるし、頼りになる。
同じように私も春兄の全てを知っている。
そんなつもりだった。
でも、私は何も知らなかったんだね。
春兄がいつもどんな気持ちだったのか、その優しさの中に何を抱えていたのか。
それが分かるのは、ずっと先の話---...
「ちょっと友達のところにな。エントリーシートの書き方教えろってうるさいんだ」
へー、エントリーシート。それがどういうものなのか、就活なんて私にとってはまだ未知の世界だからよくわからない。
やっぱり大変なんだな、就活って。
「春兄は優しいね」
「...そうか?」
無自覚だな。困っている人がいたら放っておけない性格だもん。
元々長男気質がある人だ。
「じゃあな、友達待ってるし」
「うん!またね」
少し歩いたところで立ち止まり、ゆっくりと振り返る。
春兄の大きな背中がだんだん遠くなっていく。
春兄のことは幼馴染として、とても好きだ。
小さい頃から傍にいたから私のことをなんでも分かってくれるし、頼りになる。
同じように私も春兄の全てを知っている。
そんなつもりだった。
でも、私は何も知らなかったんだね。
春兄がいつもどんな気持ちだったのか、その優しさの中に何を抱えていたのか。
それが分かるのは、ずっと先の話---...