パートナー
部屋に戻ろうとしていると、
田中さんが手伝ってくれる。
軽くお辞儀をして断ると
私は一人で部屋に入った。
もうこんな作業楽チンだ。
……多分。
「一人でやるぅ?」
「うん」
「選択も?」
「うん」
「移動も?」
「……なるべく」
「そう……」
愛海が高校を中退して
何ヶ月が経っただろう。
お母さんに気を使って
お父さんと隠れて相談していた。
結果が出た後での宣告は
私とお母さんにとっては
ものすごくショックだった。
「この前ね、病院で同級生がいたんですよ」
「お姉さんの用事で行ったの?」
「そうなんですけど、うわみたいな顔で……」
愛海は、強い。