パートナー












私がああ言っても
定時制にさえ通おうとしない。
確かに稼ぎはないけど
ずっと貯めていたバイト代も使わない。
毎月払う食費で、なくなる。
なくなっていく。

「……お姉ちゃん」
「ん?」
「携帯持って良い?」
「え?」
「ごめん、必要なの。契約はママに……」

俯いた彼女を他所に焦る。
だって、保護者がいないと買えない。
それに毎月掛かるのは、いくら?

でも口が動かない。

「俺が契約者になってあげようか?」
「田中さん……」
「いいよ、利子無しでも」
「でも、悪いです」
「いいのいいの、高校生でしょ」

倒れた後から私の周りは
まるで水槽を一人で見ているようで
なんだか、疎外されているような気がした。












< 61 / 62 >

この作品をシェア

pagetop