それでも僕は君が好き。
「ううん。って言っても、もう転校の手続きしちゃってるんだけどね」
さっきと同じ笑顔に戻り、あははっと少しだけ乾いた声を漏らして笑うおばさん。
そのことになぜか私は、少し安心してしまった。
「ってことで、来週から頑張ってね。星空ちゃん。」
おばさんは、後から「勝手なおばさんでごめんね」と言葉を付け足し、静かに窓の外を向いた。
「綺麗な桜だねー」
「…うん。そうだね……」
まるで仲がいい友達に話しかけるみたいにそう言ったおばさんに、私はそう返すのが精一杯で。
消え入りそうな声で、そう言った。