イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係
ホストっていう職業柄もあるんだろうけど、いくら飲んでも彼はちっとも酔わなくて、顔が赤くなるような素振りも少しも出なかった。
テーブルの上に、空き缶がいくつも増えていくにつれて、とろんと眠たくもなってくる。
「…なんだよ、眠いのか? おまえ」
覗き込まれて、
「…じゃあ、いっしょに寝るか?」
と、顔を近づけられたかと思ったら、
チュッとキスをされた。
「…ん、」
驚いて唇を拭う。
「猫だって、キスぐらいはするだろ?」
そう言われて、(また猫なの…?)と、思う。
キスさえも、猫にするような感覚でしかないんだとしたら、なんだかちょっと寂しくも感じられるみたいだった。