イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係

その夜は、レオンは起きてもなんにも喋ってはくれなくて、黙って仕事に出て行ってしまった。

やっぱり、私のことは猫としてしか見てないのかな……と、思う。

それでもいいと前は思ってたけど、彼が女嫌いかもしれないと聞かされた今になっては、自分は女として見られてないんだと、ただ悲しくもなってくるみたいだった。

「……レオン…私のこと……」

聞けない言葉が、気持ちが、どんどん胸に溜まっていく。


相変わらずテーブルの上に置き去りになっている腕時計は、前より数が増えたみたいだった。

……また、誰か女の人からもらったんだ……。その人は、どれくらいレオンのことが好きなのかな……。

こんなに高価な贈り物をするくらいだから、よっぽど彼のことが好きなんだろうな……。

私は、そんな彼女の気持ちに勝てるんだろうか……私は、彼になんにもしてないのに……料理すらも作ってはあげられなくて、プレゼントするお金さえもないなんて……。

ねぇ、レオン……私のこと……

……何もできない、してあげられない私のことなんか……本当には……。



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