イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係

-3-


お酒くさい人いきれの中ーー

「どけって!」

前から歩いてきた男の人に体があたって、つまずいて転んだ拍子に、ポケットから何かがこぼれ落ちて、手を伸ばした。

拾い上げると、落ちたそれは、シアンにもらったお店の名刺だった。

「……これ、この近くだ……」

お店の住所は、ここからそんなに遠くなくて、行ってみようかなとも思う。

行ったって、たいした持ち合わせもなくて、お店に入れるわけでもなかったけど、もしレオンに会えるならと、行ってみたい気持ちもにわかに湧いた。

住所を確かめながら、探しあてると、それはビルの地下に続く階段の先にあるみたいだった。

中には入ることはできなくて、お店の外で入口を眺めていた。

時折り、女性客を送ってホストがいっしょに出てきて、階段の上までエスコートをしてくると、求められるままにキスをして別れていた。



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