イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係
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お酒くさい人いきれの中ーー
「どけって!」
前から歩いてきた男の人に体があたって、つまずいて転んだ拍子に、ポケットから何かがこぼれ落ちて、手を伸ばした。
拾い上げると、落ちたそれは、シアンにもらったお店の名刺だった。
「……これ、この近くだ……」
お店の住所は、ここからそんなに遠くなくて、行ってみようかなとも思う。
行ったって、たいした持ち合わせもなくて、お店に入れるわけでもなかったけど、もしレオンに会えるならと、行ってみたい気持ちもにわかに湧いた。
住所を確かめながら、探しあてると、それはビルの地下に続く階段の先にあるみたいだった。
中には入ることはできなくて、お店の外で入口を眺めていた。
時折り、女性客を送ってホストがいっしょに出てきて、階段の上までエスコートをしてくると、求められるままにキスをして別れていた。