イケメン俺様ホストの、猫可愛がりな溺愛関係

走って、息が切れて、立ち止まる。

どこまで来てしまったのか、わからなかった。

まるで見覚えのない街の景色に、急に不安になる。

どうしよう……これじゃ、レオンの家への帰り方もわからない。

そう思って、もう帰れるわけなんてないのにと感じる。

……もう、あの部屋に私の居場所なんてないんだから……。

……あそこに帰っても、心はひとりぼっちなだけだってことがわかっていた。

……彼が、私を愛してくれるなんてことは、絶対にない……。

……猫でいればよかったんだ、ずっと……。そうすれば、猫として彼は愛してくれてたのに……。

猫として……だけど、そんなの寂しい。……ねぇ、いつから私、あなたのことが、こんなに好きになっちゃったのかな……。

レオン……好きなの……たまらないくらいに。



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